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OpenAIのAIが証明した「エジプト式分数は log log b 個程度で足りる」:エルデシュの予想が解決

分数を相異なる単位分数の和で書くエジプト式分数。分母が b の分数は最悪でも何個の単位分数で書けるか、というエルデシュの問いに、OpenAIのモデルが書いた論文が「log log b の定数倍」と答えました。リンド・パピルスの表、フィボナッチの貪欲法、必要な個数の下からの評価を、触れる図と証明で確かめたうえで、今回の定理と証明の流れを解説します。

目次
  1. エルデシュの「短いエジプト式分数」の予想が解決した
  2. エジプト式分数とは
  3. 貪欲法:どんな分数も展開できる
  4. いちばん短い展開の長さ
  5. エルデシュの問い
  6. 個は必要になる
  7. 今回の定理
  8. 上界の証明の流れ
  9. 副産物: の表し方の数
  10. どこまで確かなのか
  11. 残された問題
  12. 参考文献
この記事の要点
エジプト式分数
25=13+115\frac{2}{5}=\frac13+\frac1{15} のように、分数を分子が 11 の分数(単位分数)の和で、同じものを使わずに書く方法です。古代エジプトのリンド・パピルスにも表があります。
エルデシュの問い
分母が bb の分数 a/ba/b は、最悪でも何個の単位分数があれば書けるか。エルデシュは1950年に、答えは log⁡log⁡b\log\log b 程度だろうと予想しました。
今回の結果
OpenAIのモデルが書いた論文が、十分大きな bb について「どの a/ba/b も log⁡log⁡b\log\log b の定数倍の個数で書ける」ことを証明し、予想を解決しました。それまでの最良の上界は log⁡b\sqrt{\log b} 程度(1985年)でした。
確かさ
論文は査読前のプレプリントです。主定理はLeanで形式化され、リポジトリの照合の対象になっています。

この記事で読む論文

Short Egyptian fractions

OpenAI 2026年9月25日付 プレプリント(査読前) PDF 531KB

PDFは2026年10月9日にGitHubから取得した版のコピーで、Apache License 2.0(全文)に従って掲載しています。修正版が出た場合は、GitHubのほうが新しくなります。

定義・命題の下の「証明」は、開くとステップが並びます。もう少し詳しくは大学1〜2年程度の数学の補足、専門的な話は論文の中身に踏み込む補足です。どちらも開かずに読み進められます。

エルデシュの「短いエジプト式分数」の予想が解決した

2026年10月6日、OpenAIは未公開の社内モデルが書いた数学の論文をGitHubのリポジトリ openai/math で公開しました[1]。その025番が、この記事で読む「Short Egyptian fractions」です[2]。

テーマは、分数を「分子が 11 の分数」の和に分けることです。古代エジプトの書記が使い、13世紀初めにフィボナッチが計算法を書き、20世紀にエルデシュが「何個あれば足りるか」を問いました。論文は、この最後の問いに答えています。

この記事では、まず定義と昔からの計算法(貪欲法)を、触れる図で確かめます。そのあと、エルデシュの予想の意味、必要な個数の下からの評価(証明つき)、今回の定理と証明の流れを順に見ます。

この論文は、10月7日付の修正・取り下げには含まれていません[3]。リポジトリの更新は修正と取り下げの記録にまとめています。

エジプト式分数とは

分子が 11 の分数 12,13,14,…\frac12,\frac13,\frac14,\dots を単位分数と呼びます。エジプト式分数は、分数を相異なる単位分数の和で書いたものです。

定義1 エジプト式分数による展開 [2, §1]

正の有理数 xx のエジプト式分数による展開とは、次の形の等式のことをいう。

x=1n1+1n2+⋯+1nkn1<n2<⋯<nkx=\frac1{n_1}+\frac1{n_2}+\cdots+\frac1{n_k}\qquad n_1\lt n_2\lt\cdots\lt n_kx=1n1+1n2+⋯+1nkn1<n2<⋯<nk\begin{gathered}x=\frac1{n_1}+\frac1{n_2}+\cdots+\frac1{n_k}\\n_1\lt n_2\lt\cdots\lt n_k\end{gathered}x=1n1+1n2+⋯+1nkn1<n2<⋯<nk\begin{aligned}x &= \frac1{n_1}+\frac1{n_2}+\cdots+\frac1{n_k}\\[4pt]n_1 &\lt n_2\\&\lt \cdots\\&\lt n_k\end{aligned}

ここで n1,…,nkn_1,\dots,n_k は正の整数である。kk をこの展開の長さ(項の数)と呼ぶ。分母がすべて異なることが条件で、分母の大きさに上限はない。

「同じものを使わない」が大事な条件です。これを外すと 25=15+15\frac25=\frac15+\frac15 のように、どんな分数 a/ba/b も 1b\frac1b を aa 個並べれば書けてしまいます。

例2 小さな分数の展開

25=13+11534=12+1445=12+14+120\frac25=\frac13+\frac1{15}\qquad \frac34=\frac12+\frac14\qquad \frac45=\frac12+\frac14+\frac1{20}25=13+11534=12+1445=12+14+120\begin{gathered}\frac25=\frac13+\frac1{15}\\\frac34=\frac12+\frac14\\\frac45=\frac12+\frac14+\frac1{20}\end{gathered}25=13+11534=12+1445=12+14+120\begin{aligned}\frac25 &= \frac13+\frac1{15}\\[4pt]\frac34 &= \frac12+\frac14\\[4pt]\frac45 &= \frac12+\frac14+\frac1{20}\end{aligned}

たとえば最後の式は、通分すると 1020+520+120=1620=45\frac{10}{20}+\frac{5}{20}+\frac{1}{20}=\frac{16}{20}=\frac45 である。

展開は1通りとは限りません。25=14+110+120\frac25=\frac14+\frac1{10}+\frac1{20} とも書けます。そこで、いちばん短い展開を問題にします。

リンド・パピルスの 2/n2/n の表

リンド・パピルスは、書記アーメスが書いた古代エジプトの数学の写本で、グラハムのサーベイでは紀元前1650年ごろのものとされています[4, §1]。そこには、2/n2/n を単位分数の和に分けた表があります。Joyce の転記では奇数 n=5,7,…,101n=5,7,\dots,101 の49行で[5]、23=12+16\frac23=\frac12+\frac16 の行を含めて n=3n=3 からの50行とする資料もあります[6]。

当時のエジプトの計算では、分数を単位分数の和で表しました(23\frac23 だけは例外として使われました)。掛け算と割り算は倍にする操作を組み合わせて行うので、単位分数を2倍した値の表が必要だった、と説明されています[5]。

表から8行を抜き出します。右の列は、筆者が全探索で求めた最短の展開の1つです。

分数パピルスの展開項の数最短の展開の1つ
2/52/513+115\frac1{3}+\frac1{15}2213+115\frac1{3}+\frac1{15}
2/72/714+128\frac1{4}+\frac1{28}2214+128\frac1{4}+\frac1{28}
2/132/1318+152+1104\frac1{8}+\frac1{52}+\frac1{104}3317+191\frac1{7}+\frac1{91}
2/292/29124+158+1174+1232\frac1{24}+\frac1{58}+\frac1{174}+\frac1{232}44115+1435\frac1{15}+\frac1{435}
2/432/43142+186+1129+1301\frac1{42}+\frac1{86}+\frac1{129}+\frac1{301}44122+1946\frac1{22}+\frac1{946}
2/612/61140+1244+1488+1610\frac1{40}+\frac1{244}+\frac1{488}+\frac1{610}44131+11891\frac1{31}+\frac1{1891}
2/952/95160+1380+1570\frac1{60}+\frac1{380}+\frac1{570}33148+14560\frac1{48}+\frac1{4560}
2/1012/1011101+1202+1303+1606\frac1{101}+\frac1{202}+\frac1{303}+\frac1{606}44151+15151\frac1{51}+\frac1{5151}

Joyce の転記の49行すべてについて、和がちょうど 2/n2/n になることを計算で確かめました。パピルスの展開は最短とは限りません。どの奇数 nn でも、次のように2項で書けるからです。

2n=1(n+1)/2+1n(n+1)/2\frac2n=\frac{1}{(n+1)/2}+\frac{1}{n(n+1)/2}2n=1(n+1)/2+1n(n+1)/2\begin{aligned}\frac2n &= \frac{1}{(n+1)/2}+\frac{1}{n(n+1)/2}\end{aligned}2n=1(n+1)/2=+1n(n+1)/2\begin{aligned}\frac2n &= \frac{1}{(n+1)/2}\\&\phantom{=}{} +\frac{1}{n(n+1)/2}\end{aligned}

たとえば 2101=151+15151\frac2{101}=\frac1{51}+\frac1{5151} ですが、パピルスは 2/1012/101 を4項で書いています。表の展開がどんな規則で選ばれたのかは、今も議論が続いています[6]。

貪欲法:どんな分数も展開できる

どんな分数でもエジプト式分数で書ける方法を、13世紀初めのフィボナッチが『算盤の書』(1202年)に書いています。引ける中でいちばん大きな単位分数を引くことをくり返す、というものです[4, §2]。これを貪欲法と呼びます。

命題3 貪欲法は止まる

1≤a<b1\le a\lt b を整数とする。x0=a/bx_0=a/b から始めて、xj>0x_j>0 である限り

zj+1=⌈1xj⌉xj+1=xj−1zj+1z_{j+1}=\left\lceil\frac1{x_j}\right\rceil\qquad x_{j+1}=x_j-\frac1{z_{j+1}}zj+1=⌈1xj⌉xj+1=xj−1zj+1\begin{gathered}z_{j+1}=\left\lceil\frac1{x_j}\right\rceil\\x_{j+1}=x_j-\frac1{z_{j+1}}\end{gathered}zj+1=⌈1xj⌉xj+1=xj−1zj+1\begin{aligned}z_{j+1} &= \left\lceil\frac1{x_j}\right\rceil\\[4pt]x_{j+1} &= x_j-\frac1{z_{j+1}}\end{aligned}

とおく。このとき xjx_j は aa 回以内に 00 になり、z1<z2<⋯z_1\lt z_2\lt\cdots である。したがって ab=1z1+1z2+⋯\frac ab=\frac1{z_1}+\frac1{z_2}+\cdots は長さ aa 以下のエジプト式分数による展開である。

証明
  1. xj=p/qx_j=p/q(p≥1p\ge1)と書くと、xj+1x_{j+1} は分子が pp より小さい分数で書ける。

    z=⌈q/p⌉z=\lceil q/p\rceil とすると z−1<q/p≤zz-1\lt q/p\le z、つまり p(z−1)<q≤pzp(z-1)\lt q\le pz である。よって

    xj+1=pq−1z=pz−qqz0≤pz−q<px_{j+1}=\frac pq-\frac1z=\frac{pz-q}{qz}\qquad 0\le pz-q\lt pxj+1=pq−1z=pz−qqz0≤pz−q<p\begin{gathered}x_{j+1}=\frac pq-\frac1z=\frac{pz-q}{qz}\\0\le pz-q\lt p\end{gathered}xj+1=pq−1z=pz−qqz0≤pz−q<p\begin{aligned}x_{j+1} &= \frac pq-\frac1z\\&= \frac{pz-q}{qz}\\[4pt]0 &\le pz-q\\&\lt p\end{aligned}
  2. 分子は aa から始まり、11 回ごとに 11 以上減るので、aa 回以内に 00 になる。
  3. 分母が増え続けることを示す。xj+1<1zj+1(zj+1−1)x_{j+1}\lt\frac1{z_{j+1}(z_{j+1}-1)} なので、zj+2>zj+1(zj+1−1)≥zj+1z_{j+2}>z_{j+1}(z_{j+1}-1)\ge z_{j+1} である。

    z=zj+1z=z_{j+1} とおく。zz は 1/xj1/x_j 以上の最小の整数なので z−1<1/xjz-1\lt 1/x_j、つまり xj<1z−1x_j\lt\frac1{z-1} である(z≥2z\ge2 は xj<1x_j\lt1 から従う)。よって

    xj+1=xj−1z<1z−1−1z=1z(z−1)x_{j+1}=x_j-\frac1z\lt\frac1{z-1}-\frac1z=\frac1{z(z-1)}xj+1=xj−1z<1z−1−1z=1z(z−1)\begin{aligned}x_{j+1} &= x_j-\frac1z\\&\lt \frac1{z-1}-\frac1z\\&= \frac1{z(z-1)}\end{aligned}

    次の分母 zj+2=⌈1/xj+1⌉z_{j+2}=\lceil 1/x_{j+1}\rceil は z(z−1)z(z-1) より大きい。z≥2z\ge2 なら z(z−1)≥zz(z-1)\ge z である。

証明の3番目のステップから、分母は次の段で前の分母のおよそ2乗以上になります。この性質が、あとで出てくる log⁡log⁡\log\log の由来です。

例4 4/134/13 と 5/1215/121 の貪欲法

413\frac4{13} では ⌈13/4⌉=4\lceil 13/4\rceil=4 を引いて 413−14=352\frac4{13}-\frac14=\frac3{52}、次に ⌈52/3⌉=18\lceil 52/3\rceil=18 を引いて 352−118=1468\frac3{52}-\frac1{18}=\frac1{468} となる。

413=14+118+1468\frac4{13}=\frac14+\frac1{18}+\frac1{468}413=14+118+1468\begin{aligned}\frac4{13} &= \frac14+\frac1{18}+\frac1{468}\end{aligned}

5121\frac5{121} では分子が 5,4,3,2,15,4,3,2,1 と1ずつ減り、5項になる。

5121=125+1757+1763309+1873960180913+11527612795642093418846225\begin{aligned} &\frac5{121}=\frac1{25}+\frac1{757}+\frac1{763309}+{}\\ &\quad\frac1{873960180913}+{}\\ &\quad\frac1{1527612795642093418846225}\end{aligned}

5/1215/121 の貪欲法は、最後の分母が25桁になります。ところが、5121=133+1121+1363\frac5{121}=\frac1{33}+\frac1{121}+\frac1{363} と3項で書くこともできます。貪欲法は必ず止まりますが、短い展開を作るとは限りません。

下の図で、分数を変えて2つの展開を比べられます。円全体を 11 とし、各項 1n\frac1n を中心角 360∘/n360^\circ/n の扇形で描いています。

いまの分数 531円全体が 11、灰色は 1−a/b1-a/b の残り

貪欲法:5 個

17+155+13979+123744683+11127619917796295

細すぎて円に見えない項が 3 個あります。

最短:3 個

17+156+11736

細すぎて円に見えない項が 1 個あります。

例:
図1具体例分数 a/ba/b の、貪欲法による展開(左)と最短の展開(右)です。スライダーで b≤50b\le50 の分数を、ボタンでいくつかの例を選べます。最短の展開は、項の数が少ない順に全部の候補を調べる探索で求めたもので、同じ長さの展開がいくつかあるときは分母を小さい順に比べて最初のものを示しています。灰色は 11 から a/ba/b を除いた残りです。

5/315/31 では、貪欲法は5項で最後の分母が16桁になり、最短の展開は3項です。732/733732/733 では両者が一致し、どちらも7項になります。

いちばん短い展開の長さ

論文は、分数ごとの最短の長さと、分母を決めたときの最悪の値を次のように定めます。

定義5 最短の長さ N(a,b)N(a,b) と N(b)N(b) [2, §1]

整数 1≤a<b1\le a\lt b について、ab\frac ab のエジプト式分数による展開の長さの最小値を N(a,b)N(a,b) と書く。さらに

N(b)=max⁡1≤a<bN(a,b)N(b)=\max_{1\le a\lt b}N(a,b)N(b)=max⁡1≤a<bN(a,b)\begin{aligned}N(b) &= \max_{1\le a\lt b}N(a,b)\end{aligned}

とおく。a/ba/b は既約でなくてよく、展開の分母の大きさに制限はつけない。

a/b<1a/b\lt1 なので、展開の分母はすべて 22 以上です。命題3から N(a,b)≤aN(a,b)\le a なので、N(b)≤b−1N(b)\le b-1 はすぐに分かります。

分子によっては、とても短い展開があります。たとえば N(1,b)=1N(1,b)=1 です。N(b)N(b) は、分母が bb の分数のうち、いちばん「書きにくい」ものの長さです。

小さな bb について、N(b)N(b) を全探索で求めると次のようになります。

bb223344556677889910101111
N(b)N(b)11222233223333333344
bb1212131314141515161617171818191920202121
N(b)N(b)33444433445533443344

N(b)N(b) は bb について単調ではありませんが、全体としてはゆっくり増えます。kk 個の項が初めて必要になる bb と、そのときの分数の最短の展開の例は次のとおりです。

k=3:45=12+14+120k=4:811=12+15+137+14070k=5:1617=12+13+110+1128+132640k=6:7779=12+13+18+162+14524+17386184\begin{aligned} k=3:&\quad \frac45=\frac12+\frac14+\frac1{20}\\[6pt] k=4:&\quad \frac8{11}=\frac12+\frac15+\frac1{37}\\ &\qquad\qquad+\frac1{4070}\\[6pt] k=5:&\quad \frac{16}{17}=\frac12+\frac13+\frac1{10}\\ &\qquad\qquad+\frac1{128}+\frac1{32640}\\[6pt] k=6:&\quad \frac{77}{79}=\frac12+\frac13+\frac18+\frac1{62}\\ &\qquad\qquad+\frac1{4524}+\frac1{7386184}\end{aligned}

7個が必要になる最初の分母は 733733、8個が必要になる最初の分母は 2753927539 です[7]。733733 より小さい分母はどれも6項以下で足りることと、732/733732/733 が6項以下で書けないことは、筆者も全探索で確かめました。

並べると 2,3,5,11,17,79,733,275392,3,5,11,17,79,733,27539 です。kk が大きくなるにつれて、次の分母までの間隔がどんどん広がっていきます。

エルデシュの問い

エルデシュは1950年のハンガリー語の論文で N(a,b)N(a,b) を調べ、N(b)N(b) がどのくらいの速さで増えるかを問いました[8, p.195]。同じ問題は、エルデシュとグラハムの問題集(1980年)にも載り、今はエルデシュ問題の304番として知られています[2, §1; 9]。

これまでに分かっていたことを並べます。記号 f(b)≪g(b)f(b)\ll g(b) は、ある定数 cc があって f(b)≤c g(b)f(b)\le c\,g(b) となること(OO 記号と同じ意味)を表します。

年示した人分かったこと
1950以前ド・ブラウンN(b)≪log⁡b/log⁡log⁡log⁡bN(b)\ll\log b/\log\log\log b
1950エルデシュN(b)≪log⁡b/log⁡log⁡bN(b)\ll\log b/\log\log b。下からは N(b−1,b)N(b-1,b) が log⁡log⁡b\log\log b 程度以上。N(b)≪log⁡log⁡bN(b)\ll\log\log b を予想
1985ヴォースN(b)≪log⁡bN(b)\ll\sqrt{\log b}
2026OpenAI(今回)N(b)≪log⁡log⁡bN(b)\ll\log\log b。予想の解決

ド・ブラウンの評価はエルデシュの論文に紹介されているもので、エルデシュはその方法を改良して上の評価を出しました[8, p.195, 1. tétel]。同じ論文の2つ目の定理が下からの評価で、分子 b−1b-1 の分数がすでに log⁡log⁡b\log\log b 程度の個数を必要とすることを示しています[8, p.195, 2. tétel]。

エルデシュが予想したのは、次の形です。

予想6 エルデシュ、1950年 [8, p.195][9]

ある定数 CC があって、b≥3b\ge3 のとき次が成り立つ(N(b)N(b) は定義5の、分母 bb での最悪の個数)。

N(b)≤Clog⁡log⁡bN(b)\le C\log\log bN(b)≤Clog⁡log⁡b\begin{aligned}N(b) &\le C\log\log b\end{aligned}

ヴォースの log⁡b\sqrt{\log b} は、2013年のグラハムのサーベイでも「この方向の最良の結果」とされていました[10; 4, §1]。2025年12月に更新されたエルデシュ問題のページでも、上界はヴォースの評価までが載っています[9]。

3つの関数の増え方を比べます。図では定数をすべて 11 にしています。実際の定理では定数がつくので、図が示すのは増え方の違いだけです。

10110^{1}
10210^{2}
10310^{3}
10410^{4}
10510^{5}
10610^{6}
10010^{0}
10110^{1}
10210^{2}
10310^{3}
10410^{4}
10510^{5}
log⁡b/log⁡log⁡b\log b/\log\log b
log⁡b\sqrt{\log b}
log⁡log⁡b\log\log b
bb の桁数(目盛りは 1010 倍ずつ)
図2具体例bb の桁数を 1010 桁から 100100 万桁まで変えたときの、log⁡b/log⁡log⁡b\log b/\log\log b(エルデシュ、1950年)、log⁡b\sqrt{\log b}(ヴォース、1985年)、log⁡log⁡b\log\log b(予想、今回の定理)の値です。縦軸も 1010 倍ずつの目盛りです。log⁡\log は自然対数です。

数で見ると、差はさらにはっきりします。

bblog⁡b\log blog⁡b\sqrt{\log b}log⁡log⁡b\log\log b
101010^{10}23.023.04.84.83.143.14
1010010^{100}230.3230.315.215.25.445.44
10100010^{1000}2,302.62{,}302.648.048.07.747.74
10100000010^{1000000}2,302,585.12{,}302{,}585.11,517.41{,}517.414.6514.65

bb が 100100 万桁の数でも log⁡log⁡b\log\log b は 1515 に届きません。今回の定理から、どんなに大きな分母でも log⁡log⁡b\log\log b の定数倍という少ない個数で足ります。ただし定数の値は分かっていないので、実際に何個で足りるかはこの定理からは言えません。

log⁡log⁡b\log\log b 個は必要になる

先に、下からの評価を証明します。エルデシュが1950年に示したのと同じ種類の結果で、今回の論文は短い証明をつけています[2, Theorem 1.1 の証明]。分子を b−1b-1 にとると、長い展開が必要になります。

命題7 分子 b−1b-1 の下界 [2, Theorem 1.1 の証明]

b≥2b\ge2 とし、b−1b\frac{b-1}b が長さ kk の展開をもつとする。このとき

b≤(k+1)2kとくにlog⁡log⁡b≤(1+log⁡2) k(b≥3)b\le(k+1)^{2^k}\qquad\text{とくに}\qquad \log\log b\le(1+\log2)\,k\quad(b\ge3)b≤(k+1)2kとくにlog⁡log⁡b≤(1+log⁡2) k(b≥3)\begin{gathered}b\le(k+1)^{2^k}\\\text{とくに}\\\log\log b\le(1+\log2)\,k\\(b\ge3)\end{gathered}b≤(k+1)2kとくにlog⁡log⁡b≤(1+log⁡2) k(b≥3)\begin{aligned}b &\le (k+1)^{2^k}\\[4pt]&\text{とくに}\\[4pt]\log\log b &\le (1+\log2)\,k\\[4pt]&(b\ge3)\end{aligned}

したがって N(b)≥N(b−1,b)≥log⁡log⁡b1+log⁡2N(b)\ge N(b-1,b)\ge\dfrac{\log\log b}{1+\log2} である。

証明
  1. 展開に 1b\frac1b を付け足すと、s=k+1s=k+1 個の単位分数の和が 11 になる。分母を小さい順に d1≤d2≤⋯≤dsd_1\le d_2\le\cdots\le d_s と並べ、L0=1L_0=1、Lj=d1d2⋯djL_j=d_1d_2\cdots d_j とおく。

    b−1b+1b=1\frac{b-1}b+\frac1b=1 である。付け足した bb が展開の分母と重なってもかまわない(以下の議論は分母の重なりを使わない)。

  2. はじめの j−1j-1 項を引いた残りは 1Lj−1\frac1{L_{j-1}} 以上である。

    残り 1−∑i<j1di1-\sum_{i\lt j}\frac1{d_i} は分母が Lj−1L_{j-1} の約数になる分数で、あとの項の和なので正である。分母が Lj−1L_{j-1} を割る正の分数は 1Lj−1\frac1{L_{j-1}} 以上である。

  3. 一方、残りは sdj\frac{s}{d_j} 以下である。よって dj≤sLj−1d_j\le sL_{j-1} と Lj≤sLj−12L_j\le sL_{j-1}^2 が成り立つ。

    残りは ∑i≥j1di\sum_{i\ge j}\frac1{d_i} で、項は s−j+1≤ss-j+1\le s 個、どれも 1dj\frac1{d_j} 以下である。前のステップと合わせて 1Lj−1≤sdj\frac1{L_{j-1}}\le\frac s{d_j}。

  4. 帰納法で Lj≤s2j−1L_j\le s^{2^j-1}、dj≤s2j−1d_j\le s^{2^{j-1}} である。

    L0=1=s0L_0=1=s^0 である。Lj−1≤s2j−1−1L_{j-1}\le s^{2^{j-1}-1} なら

    Lj≤s⋅(s2j−1−1)2=s2j−1dj≤s Lj−1≤s2j−1L_j\le s\cdot\left(s^{2^{j-1}-1}\right)^2=s^{2^j-1}\qquad d_j\le s\,L_{j-1}\le s^{2^{j-1}}Lj≤s⋅(s2j−1−1)2=s2j−1dj≤s Lj−1≤s2j−1\begin{gathered}L_j\le s\cdot\left(s^{2^{j-1}-1}\right)^2=s^{2^j-1}\\d_j\le s\,L_{j-1}\le s^{2^{j-1}}\end{gathered}Lj≤s⋅(s2j−1−1)2=s2j−1dj≤s Lj−1≤s2j−1\begin{aligned}L_j &\le s\cdot\left(s^{2^{j-1}-1}\right)^2\\&= s^{2^j-1}\\[4pt]d_j &\le s\,L_{j-1}\\&\le s^{2^{j-1}}\end{aligned}
  5. bb は分母の1つなので b≤ds≤s2s−1=(k+1)2kb\le d_s\le s^{2^{s-1}}=(k+1)^{2^k} である。
  6. 両辺の log⁡\log を2回とると log⁡log⁡b≤klog⁡2+log⁡log⁡(k+1)≤(1+log⁡2)k\log\log b\le k\log2+\log\log(k+1)\le(1+\log2)k である。

    log⁡b≤2klog⁡(k+1)\log b\le 2^k\log(k+1) の log⁡\log をとればよい。最後の不等号は log⁡(k+1)≤ek\log(k+1)\le e^k、つまり log⁡log⁡(k+1)≤k\log\log(k+1)\le k から従う。

証明の中心は「分母は前の分母の積の ss 倍までしか大きくなれない」ことです。積は1段ごとにおよそ2乗になるので、kk 段で 2k2^k 乗になります。bb が 2k2^k 乗の大きさに届くには、kk が log⁡log⁡b\log\log b 程度必要です。

例8 シルベスターの数列

1806=2⋅3⋅7⋅431806=2\cdot3\cdot7\cdot43 について、18051806=12+13+17+143\frac{1805}{1806}=\frac12+\frac13+\frac17+\frac1{43} である。これより短い展開はない(全探索で確かめた)。2,3,7,43,1807,…2,3,7,43,1807,\dots は、和が 11 未満にとどまるように、いちばん大きな単位分数を順に足していくと現れる分母の列で、シルベスターが1880年に調べた[11,12]。

命題7の上限 (k+1)2k(k+1)^{2^k} は、k=1,2,3,4k=1,2,3,4 で 4, 81, 65536, 1525878906254,\ 81,\ 65536,\ 152587890625 です。たとえば b>65536b>65536 なら、b−1b\frac{b-1}b は3項以下では書けません。

00
0.50.5
11
1.51.5
22
2.52.5
22
33
44
55
66
77
88
下界の証明から
分かる境界
b=3b=3
b=5b=5
b=11b=11
b=17b=17
b=79b=79
b=733b=733
b=27539b=27539
log⁡log⁡b\log\log b
必要な項の数
図3具体例kk 個の単位分数が初めて必要になる分母 bb を、横軸 log⁡log⁡b\log\log b、縦軸 kk で打った図です。k≤6k\le6 は筆者の全探索です。k=7k=7(b=733b=733)も筆者が全探索で確かめ、OEISの値と一致しました。k=8k=8(b=27539b=27539、白丸)はOEISの値です。緑の破線は b=k2k−1b=k^{2^{k-1}} の位置で、これより右の bb では命題7から b−1b\frac{b-1}b に kk 項以上が必要です。そのため点はどれもこの線より左にあります(線は図に収まる範囲だけ描いています)。点がほぼ一直線に並ぶことが、N(b)N(b) が log⁡log⁡b\log\log b に比例して増えるという予想と合っています。

図3の点は7個しかないので、これだけで増え方は決まりません。上からの評価 N(b)≪log⁡log⁡bN(b)\ll\log\log b を示すには、すべての aa について短い展開を作る必要があります。そこが今回の論文の中身です。

今回の定理

定理9 OpenAI, 2026 [2, Theorem 1.1]

定数 c1,c2>0c_1,c_2>0 と整数 b0b_0 があって、b≥b0b\ge b_0 のすべての整数 bb で次が成り立つ。

c1log⁡log⁡b≤N(b)≤c2log⁡log⁡bc_1\log\log b\le N(b)\le c_2\log\log bc1log⁡log⁡b≤N(b)≤c2log⁡log⁡b\begin{aligned}c_1\log\log b &\le N(b)\\&\le c_2\log\log b\end{aligned}

とくに、1≤a<b1\le a\lt b のすべての aa について、ab\frac ab は c2log⁡log⁡bc_2\log\log b 個以下の相異なる単位分数の和で書ける。

下の不等式は命題7から従います。新しいのは上の不等式で、予想6が正しかったことになります。

定理を読むときに気をつけたい点を挙げます。

  • 定数の値は分からない。c2c_2 と b0b_0 の値は論文に書かれていません(b0b_0 は証明からも具体的には出ません)。証明の途中で使う定数はとても大きく、たとえば補助の分母 CC は b816824b^{816824} 以上の範囲にとります(補題10のあと)。
  • 分母の大きさは問わない。定理は分母の大きさに制限をつけていません。テネンバウムと横田は1990年に、十分大きな bb について、長さ (1+ε)log⁡b/log⁡log⁡b(1+\varepsilon)\log b/\log\log b 以下で、分母も 4b(log⁡b)2log⁡log⁡b4b(\log b)^2\log\log b 以下に抑えた展開を作っています。今回の論文は長さだけを最適にし、分母の大きさは扱わないと書いています[2, §1]。
  • 最悪の場合の話である。N(1,b)=1N(1,b)=1 のように、短く書ける分子はたくさんあります。定理が言うのは、どの分子でも c2log⁡log⁡bc_2\log\log b 個で足りるということです。

上界の証明の流れ

証明は大きく3つの段階に分かれます[2, §1, §2]。S=log⁡bS=\log b とおき、使ってよい項の数を O(log⁡S)=O(log⁡log⁡b)O(\log S)=O(\log\log b) とします。

  1. 1
    貪欲法で分母を大きくする

    O(log⁡S)O(\log S) 回の貪欲法で、残りを「分子が bb 未満、分母 CC が決まった範囲」の分数 A/CA/C にする。

  2. 2
    ほとんどの分子で短い展開を作る

    補助の整数 MM を作り、u/(MC)u/(MC) の形の分数の大部分(分子 uu の 7/87/8 以上)が O(log⁡S)O(\log S) 項で書けることを示す。ここが論文の大部分を占める。

  3. 3
    2つに分けて全部の分子に広げる

    A/CA/C を定数倍した分子を、ステップ2で書けた2つの分子の和に分ける。2つの展開を合わせ、重なった分母を直す。

ステップ1:貪欲法で分母を準備する

命題3の証明で見たとおり、貪欲法の残りは1段ごとにおよそ2乗の速さで小さくなります。論文はこれを次の形で使います。

補題10 分母の準備 [2, Lemma 2.3]

1≤a<b1\le a\lt b を整数、T>bT>b を実数とする。貪欲法を高々 1+⌈log⁡2log⁡Tlog⁡2⌉1+\left\lceil\log_2\frac{\log T}{\log2}\right\rceil 回行うと、展開が終わるか、残りが次の形の分数 A/CA/C で書ける。

1≤A≤aT≤C<T21\le A\le a\qquad T\le C\lt T^21≤A≤aT≤C<T2\begin{gathered}1\le A\le a\\T\le C\lt T^2\end{gathered}1≤A≤aT≤C<T2\begin{aligned}1 &\le A\\&\le a\\[4pt]T &\le C\\&\lt T^2\end{aligned}

ここで A/CA/C は既約とは限らない。

証明
  1. 残りを約分せずに A/CA/C と書き、z=⌈C/A⌉z=\lceil C/A\rceil、A′=Az−CA'=Az-C、C′=CzC'=Cz とすると、次の残りは A′/C′A'/C' である。このとき 0≤A′<A0\le A'\lt A かつ C′≤C2C'\le C^2 である。

    A′<AA'\lt A は命題3の証明と同じである。A≥1A\ge1 から z≤Cz\le C なので C′=Cz≤C2C'=Cz\le C^2 となる。

  2. 残りが 00 になるか、分母が初めて TT 以上になったところで止める。止まった分母は、1つ前の分母が TT 未満なので T2T^2 未満である。
  3. 残りの値 xx は、1回ごとに x2/(1+x)x^2/(1+x) 以下になる。

    z=⌈1/x⌉z=\lceil1/x\rceil は z<1/x+1z\lt1/x+1 をみたすので 1z>x1+x\frac1z>\frac{x}{1+x}。よって

    0≤x−1z<x−x1+x=x21+x0\le x-\frac1z\lt x-\frac{x}{1+x}=\frac{x^2}{1+x}0≤x−1z<x−x1+x=x21+x\begin{aligned}0 &\le x-\frac1z\\&\lt x-\frac{x}{1+x}\\&= \frac{x^2}{1+x}\end{aligned}
  4. 1回目のあとの残りは 12\frac12 未満で、そのあとは2乗以下になるので、jj 回目のあとの残りは 2−2j−12^{-2^{j-1}} 以下である。
  5. 止まっていなければ残りは 1/Cj>1/T1/C_j>1/T 以上なので、2−2j−1>1/T2^{-2^{j-1}}>1/T、つまり 2j−1log⁡2<log⁡T2^{j-1}\log2\lt\log T である。これから回数の上限が出る。

図4は 5/1215/121 の貪欲法の残り x0,x1,…x_0,x_1,\dots です。xjx_j が 1010 の何乗分の 11 かを棒の高さにすると、1.4, 2.9, 5.9, 11.9, 24.21.4,\ 2.9,\ 5.9,\ 11.9,\ 24.2 とほぼ倍々に増えます。

00
55
1010
1515
2020
2525
1.41.4
x0x_0
n1n_{1}:2桁
2.92.9
x1x_1
n2n_{2}:3桁
5.95.9
x2x_2
n3n_{3}:6桁
11.911.9
x3x_3
n4n_{4}:12桁
24.224.2
x4x_4
n5n_{5}:25桁
xjx_j が 1010 の何乗分の 11 か
図4具体例5121\frac5{121} に貪欲法を使ったときの残り x0=5121, x1=43025,…x_0=\frac5{121},\ x_1=\frac4{3025},\dots の大きさを、−log⁡10xj-\log_{10}x_j で表した棒グラフです。各段で xj+1≤xj2x_{j+1}\le x_j^2 が成り立ち、棒の高さはほぼ倍になります。下の段は、その段で引いた分母 nj+1n_{j+1} の桁数で、こちらも 2,3,6,12,252,3,6,12,25 と倍々に近く増えます。

証明では T=eDCS=bDCT=e^{D_CS}=b^{D_C} とします(DCD_C は命題11の定数)。論文は §4.1 で K=100K=100、R=1000R=1000 とし、DM=(2R+2)(K+2)=204204D_M=(2R+2)(K+2)=204204、DC=4(DM+2)=816824D_C=4(D_M+2)=816824 と定めています[2, §4.1]。分母を TT まで大きくするのに使う項は log⁡2log⁡T\log_2\log T 程度、つまり O(log⁡S)O(\log S) 個で済みます。

ステップ3:ほとんど全部から全部へ

順番を入れ替えて、先にステップ3を見ます。ステップ2が保証するのは次のことです。

命題11 短い展開をもつ分子が多い [2, Proposition 2.1]

定数 DM>1D_M>1、L>0L>0、S0S_0 があって、次が成り立つ。DX=DM+2D_X=D_M+2、DC=4DXD_C=4D_X とおく。S≥S0S\ge S_0 と、範囲 eDCS≤C≤e2DCSe^{D_CS}\le C\le e^{2D_CS} の整数 CC に対して、整数 MM(eS<M≤eDMSe^S\lt M\le e^{D_MS})と集合 G⊆{1,…,⌊X⌋}G\subseteq\{1,\dots,\lfloor X\rfloor\}(X=eDXSX=e^{D_XS})がとれて、

(1) GG に入らない整数は X/8X/8 個以下である。
(2) u∈Gu\in G なら、uMC\frac u{MC} は Llog⁡SL\log S 個以下の単位分数の和で書ける(同じ分母が重なってもよい)。

これを認めると、残り A/CA/C は次のように書けます。考え方は、悪い分子が少なければ、どんな数も「良い数 ++ 良い数」に分けられる、という数え上げです。

命題12 2つの良い分子の和に分ける [2, Theorem 1.1 の証明]

命題11の状況で 1≤A<eS1\le A\lt e^S とする。このとき AC\frac AC は 2Llog⁡S2L\log S 個以下の単位分数の和で書ける(同じ分母が重なってもよい)。

証明
  1. g=⌊X/(AM)⌋g=\lfloor X/(AM)\rfloor、n=gAMn=gAM とおくと、X/2≤n≤XX/2\le n\le X である。

    AM<eS⋅eDMS<XAM\lt e^S\cdot e^{D_MS}\lt X なので g≥1g\ge1 である。t≥1t\ge1 なら ⌊t⌋≥t/2\lfloor t\rfloor\ge t/2 なので n≥X/2n\ge X/2。n≤Xn\le X は床関数の定義から従う。

  2. n=u+(n−u)n=u+(n-u)(1≤u≤n−11\le u\le n-1)の n−1n-1 通りの分け方のうち、uu か n−un-u が GG に入らないものは X/4X/4 通り以下である。

    GG に入らない数を HH とする。u∈Hu\in H となる分け方は ∣H∣|H| 通り以下、n−u∈Hn-u\in H となる分け方も ∣H∣|H| 通り以下なので、合わせて 2∣H∣≤X/42|H|\le X/4 通り以下である。

  3. n−1≥X/2−1>X/4n-1\ge X/2-1>X/4(XX は大きい)なので、u∈Gu\in G かつ n−u∈Gn-u\in G となる分け方がある。
  4. 2つの展開を足すと nMC=gAC\frac n{MC}=\frac{gA}C の展開が得られる。各分母を gg 倍すると AC\frac AC の展開になる。
    gAC=uMC+n−uMC=∑i1mi⟹AC=∑i1g mi\frac{gA}{C}=\frac{u}{MC}+\frac{n-u}{MC}=\sum_i\frac1{m_i}\quad\Longrightarrow\quad \frac AC=\sum_i\frac1{g\,m_i}gAC=uMC+n−uMC=∑i1mi⟹AC=∑i1g mi\begin{gathered}\frac{gA}{C}=\frac{u}{MC}+\frac{n-u}{MC}=\sum_i\frac1{m_i}\\\Longrightarrow \frac AC=\sum_i\frac1{g\,m_i}\end{gathered}gAC=uMC+n−uMC=∑i1mi⟹AC=∑i1g mi\begin{aligned}\frac{gA}{C} &= \frac{u}{MC}+\frac{n-u}{MC}\\&= \sum_i\frac1{m_i}\\[4pt]&\Longrightarrow \frac AC=\sum_i\frac1{g\,m_i}\end{aligned}

    項の数は 2Llog⁡S2L\log S 以下のままである。

図5は、この数え上げを小さな数で描いたものです。

1
29
2
28
3
27
4
26
5
25
6
24
7
23
8
22
9
21
10
20
11
19
12
18
13
17
14
16
15
15
16
14
17
13
18
12
19
11
20
10
21
9
22
8
23
7
24
6
25
5
26
4
27
3
28
2
29
1
uu
n−un-u(n=30n=30)
赤い列 6 本、緑の列 23 本
図5概念図命題12の2番目と3番目のステップを、X=40X=40、悪い数(GG に入らない数)を 4,9,13,21,264,9,13,21,26 の5個(X/8X/8 個)として描いた図です。n=30n=30 を u+(n−u)u+(n-u) と分ける29通りを縦の列にしています。赤い列は上か下に悪い数を含む分け方で、悪い数1個につき高々2列なので10列以下です。残りの緑の列では両方が良い数になります。数は説明のための例で、論文の GG を計算したものではありません。

最後に、ステップ1の貪欲法の項と合わせて、重なった分母を直します。和が 11 未満なら、項の数を変えずに分母をすべて異なるようにできます。これは Takenouchi(1921年)の議論です[2, Lemma 2.2][13]。

補題13 重なりの除去 [2, Lemma 2.2]

0<x<10\lt x\lt1 が kk 個の単位分数の和(同じ分母が重なってもよい)で書けるなら、xx は相異なる分母をもつ kk 個の単位分数の和でも書ける。

証明
  1. 重なった分母があれば、次の等式で置き換える。
    22p=1p+1+1p(p+1)22p+1=1p+1+1(p+1)(2p+1)\frac2{2p}=\frac1{p+1}+\frac1{p(p+1)}\qquad \frac2{2p+1}=\frac1{p+1}+\frac1{(p+1)(2p+1)}22p=1p+1+1p(p+1)22p+1=1p+1+1(p+1)(2p+1)\begin{gathered}\frac2{2p}=\frac1{p+1}+\frac1{p(p+1)}\\\frac2{2p+1}=\frac1{p+1}+\frac1{(p+1)(2p+1)}\end{gathered}22p=1p+1+1p(p+1)22p+1=1p+1+1(p+1)(2p+1)\begin{aligned}\frac2{2p} &= \frac1{p+1}+\frac1{p(p+1)}\\[4pt]\frac2{2p+1} &= \frac1{p+1}+\frac1{(p+1)(2p+1)}\end{aligned}22p=1p+1+1p(p+1)22p+1=1p+1=+1(p+1)(2p+1)\begin{aligned}\frac2{2p} &= \frac1{p+1}+\frac1{p(p+1)}\\[4pt]\frac2{2p+1} &= \frac1{p+1}\\&\phantom{=}{} +\frac1{(p+1)(2p+1)}\end{aligned}

    和が 11 未満なので分母 11 や、分母 22 の重なりは起きない。よって1つ目の式では p≥2p\ge2、2つ目では p≥1p\ge1 である。たとえば 13+13=12+16\frac13+\frac13=\frac12+\frac16、14+14=13+16\frac14+\frac14=\frac13+\frac16。

  2. 置き換えで項の数は変わらず、分母の総和は真に増える。

    増える量はそれぞれ (p+1)+p(p+1)−4p=(p−1)2(p+1)+p(p+1)-4p=(p-1)^2 と (p+1)+(p+1)(2p+1)−2(2p+1)=2p2(p+1)+(p+1)(2p+1)-2(2p+1)=2p^2 で、どちらも正である(1つ目では p≥2p\ge2)。

  3. xx と kk を決めると、和が xx になる kk 個の分母の組は有限個しかない。

    分母を小さい順に並べると、最小の分母 d1d_1 は kd1≥x\frac k{d_1}\ge x から d1≤k/xd_1\le k/x をみたす。d1d_1 を決めると、残りの k−1k-1 個で x−1d1x-\frac1{d_1} を作る問題になり、帰納法で有限個と分かる。

  4. 総和が増え続ける置き換えは有限回で終わり、そのとき分母はすべて異なる。

こうして、貪欲法の O(log⁡S)O(\log S) 項と、2Llog⁡S2L\log S 項を合わせた O(log⁡S)=O(log⁡log⁡b)O(\log S)=O(\log\log b) 項の展開ができます。

ステップ2:割り算の余りで分子を小さくする

残るのは命題11の証明で、論文の §3〜§5 を占めます。基本の道具は、1項使って分子を小さくする次の等式です[2, 式 (4.1)]。

命題14 余りによる1段の縮小 [2, 式 (4.1)]

正の整数 M,Q,u,tM,Q,u,t で tt が MM を割るとき、z=⌈Qt/u⌉z=\lceil Qt/u\rceil、h=uz−Qth=uz-Qt とおくと 0≤h<u0\le h\lt u で、

uMQ=1(M/t) z+1z⋅hMQ\frac{u}{MQ}=\frac{1}{(M/t)\,z}+\frac1z\cdot\frac{h}{MQ}uMQ=1(M/t) z+1z⋅hMQ\begin{aligned}\frac{u}{MQ} &= \frac{1}{(M/t)\,z}+\frac1z\cdot\frac{h}{MQ}\end{aligned}
証明
  1. 右辺を通分すると左辺になる。
    1(M/t)z+hMQz=QtMQz+hMQz=Qt+hMQz=uzMQz=uMQ\begin{aligned} &\frac1{(M/t)z}+\frac{h}{MQz}\\ &\quad=\frac{Qt}{MQz}+\frac{h}{MQz}=\frac{Qt+h}{MQz}\\ &\quad=\frac{uz}{MQz}=\frac u{MQ}\end{aligned}
  2. hh は −Qt-Qt を uu で割った余り(00 以上 uu 未満)である。

    zz は Qt/uQt/u 以上の最小の整数なので uz−u<Qt≤uzuz-u\lt Qt\le uz、つまり 0≤uz−Qt<u0\le uz-Qt\lt u。

分子 uu の問題が、1項と分子 hh の問題に変わります。hh が uu よりずっと小さくなる tt を選べれば、少ない項で分子が小さくなっていきます。

例15 7/2407/240 を2段で

M=240=24⋅3⋅5M=240=2^4\cdot3\cdot5、Q=1Q=1、u=7u=7 で、約数 t=40t=40 を選ぶと z=⌈40/7⌉=6z=\lceil 40/7\rceil=6、h=7⋅6−40=2h=7\cdot6-40=2 である。

7240=16⋅6+16⋅2240=136+1720\frac7{240}=\frac1{6\cdot6}+\frac16\cdot\frac2{240}=\frac1{36}+\frac1{720}7240=16⋅6+16⋅2240=136+1720\begin{aligned}\frac7{240} &= \frac1{6\cdot6}+\frac16\cdot\frac2{240}\\&= \frac1{36}+\frac1{720}\end{aligned}

残った 2240=1120\frac2{240}=\frac1{120} は、分子 22 が MM を割るので1項で済む。

例の最後の一手は2進法の考え方です。分子 uu を2進法で 22 のべきの和に分け、各べき 2k2^k が MM を割るなら 2kM=1M/2k\frac{2^k}M=\frac1{M/2^k} が1項になります。論文は MM を十分大きな 22 のべきで割り切れるように作り、分子が十分小さくなったらこの方法で仕上げます[2, §5]。

難しいのは、すべての分子で hh を小さくする tt が見つかるとは限らないことです。論文は、うまくいかない分子の割合が段を下りるたびにどう変わるかを追い、最後まで 1/81/8 以下に保てることを示します。

専門的な話段の降り方と例外の割合の漸化式

m=⌊S/log⁡S⌋m=\lfloor S/\log S\rfloor、ρ=e−ηm\rho=e^{-\eta m}(η=10−4\eta=10^{-4})とし、分子の範囲を Xj=eDXSρjX_j=e^{D_XS}\rho^j と段に分けます。段の数 dd は O(log⁡S)O(\log S) です[2, §4.1]。各段で、範囲 (Xj+1,Xj](X_{j+1},X_j] の分子 uu のうち、ごく少数(Xje−c∗mX_je^{-c_*m} 個以下)の例外を除くものに対して、余り hh が Xj+1X_{j+1} 以下になる約数 t∣Mt\mid M が十分たくさんあることを示します[2, Lemma 4.1]。

MM は素数の積で作ります。大きな範囲では決まった素数の積、小さな範囲では独立に選んだ素数の積を使い、−Qt/u-Qt/u の小数部分が [0,1)[0,1) に一様に散らばることを、エルデシュ=トゥランの不等式と指数和の評価で示します[2, §4.2, §4.3]。

うまくいかない分子の割合を δj\delta_j とします。ある余り hh に行きつく分子 uu は Qt+hQt+h の約数なので、行き先が例外の集合に入る分子の数は、約数の個数の和で抑えられます。約数の個数の rr 乗の平均を評価する補題[2, Lemma 3.1]とヘルダーの不等式から、次の漸化式が出ます[2, §5]。

δj≤ε+A δj+1 1−1/rε=e−c∗mA=e2S1/4\delta_j\le\varepsilon+A\,\delta_{j+1}^{\,1-1/r}\qquad \varepsilon=e^{-c_*m}\quad A=e^{2S^{1/4}}δj≤ε+A δj+1 1−1/rε=e−c∗mA=e2S1/4\begin{gathered}\delta_j\le\varepsilon+A\,\delta_{j+1}^{\,1-1/r}\\\varepsilon=e^{-c_*m}\\A=e^{2S^{1/4}}\end{gathered}δj≤ε+A δj+1 1−1/rε=e−c∗mA=e2S1/4\begin{aligned}\delta_j &\le \varepsilon+A\,\delta_{j+1}^{\,1-1/r}\\[4pt]\varepsilon &= e^{-c_*m}\\[4pt]A &= e^{2S^{1/4}}\end{aligned}

一番下の段では、2進法と、別に用意した約数の組を使って全部の分子を書けるので δd=0\delta_d=0 です[2, §5]。上の漸化式を d=O(log⁡S)d=O(\log S) 段たどっても δ0\delta_0 は 00 に近づき、SS が大きければ 1/81/8 以下になります。指数 rr を SS より先に固定することで、段を重ねたときの劣化を抑えています。

副産物:11 の表し方の数

論文は定理の応用として、11 をちょうど kk 個の相異なる単位分数の和で書く方法の数 F(k)F(k) も調べています[2, Corollary 1.2]。

例16 F(k)F(k) の小さな値

F(1)=1F(1)=1(1=111=\frac11)、F(2)=0F(2)=0、F(3)=1F(3)=1(1=12+13+161=\frac12+\frac13+\frac16 だけ)、F(4)=6F(4)=6、F(5)=72F(5)=72 である(全探索による)。

系17 11 の表し方の数 [2, Corollary 1.2]

定数 c,C>0c,C>0 と k0k_0 があって、k≥k0k\ge k_0 で ck≤log⁡log⁡F(k)≤Ckck\le\log\log F(k)\le Ck が成り立つ。

F(k)F(k) は kk について「2重の指数関数」の速さで増える、ということです。上からの評価は、命題7と同じ分母の評価から F(k)≤k2k−1F(k)\le k^{2^k-1} がすぐに出るので、log⁡log⁡F(k)≤Ck\log\log F(k)\le Ck は難しくありません[2, §6]。系で新しいのは下からの ckck です。論文によると、これまでの下からの評価は log⁡log⁡F(k)\log\log F(k) が k/log⁡kk/\log k 程度というもの(コニャーギン、2014年)でした[2, §1]。

もう1つの系は、長さ kk の 11 の表し方に一度も分母として現れない、22 以上の最小の整数 v(k)v(k) についてです。十分大きな kk で exp⁡(exp⁡(k/600))≤v(k)≤1+k2k−1\exp(\exp(k/600))\le v(k)\le1+k^{2^{k-1}} が示されています[2, Corollary 1.3]。

どこまで確かなのか

  • 論文は2026年9月25日付のプレプリントで、査読はまだです[2]。
  • 形式化の範囲の説明によると、Leanの形式化は、すべての a/ba/b が展開をもつことと、N(b)N(b) が log⁡log⁡b\log\log b の定数倍で上下から抑えられること(定理9)を証明しています。F(k)F(k) と v(k)v(k) の系も含みます[14]。
  • 照合(Comparator)の設定は2つあります。1つ目は主定理と2つの系を含み、リポジトリの形式化の一覧(formalization.yaml)に載っています。2つ目は主定理だけを別に書いたものです[15,14]。どちらも、許可された公理はLeanで標準的な propext、Quot.sound、Classical.choice の3つです。
  • 2026年10月7日付の更新では、この論文は修正も取り下げもされていません[3]。

2つ目の照合で検査される主張は次のとおりです。maxMinLength b が N(b)N(b) で、log⁡\log は自然対数です。

def IsExpansion (a b : ℕ) (ns : List ℕ) : Prop :=
  ns.Pairwise (· < ·) ∧ (∀ n ∈ ns, 2 ≤ n) ∧
    (ns.map (fun n => (1 : ℚ) / (n : ℚ))).sum = (a : ℚ) / (b : ℚ)

noncomputable def minLength (a b : ℕ) : ℕ :=
  sInf {k : ℕ | ∃ ns : List ℕ, IsExpansion a b ns ∧ ns.length = k}

noncomputable def maxMinLength (b : ℕ) : ℕ :=
  (Finset.Ico 1 b).sup (fun a => minLength a b)

theorem main :
    (∀ a b : ℕ, 1 ≤ a → a < b → ∃ ns : List ℕ, IsExpansion a b ns) ∧
    ∃ c₁ c₂ : ℝ, 0 < c₁ ∧ 0 < c₂ ∧ ∃ b₀ : ℕ, 2 ≤ b₀ ∧
      ∀ b : ℕ, b₀ ≤ b →
        c₁ * Real.log (Real.log (b : ℝ)) ≤ (maxMinLength b : ℝ) ∧
        (maxMinLength b : ℝ) ≤ c₂ * Real.log (Real.log (b : ℝ))

前半が「どの a/ba/b も展開をもつ」、後半が定理9です。リポジトリの証明では、下の定数を c1=1/2c_1=1/2 にとっています。上の定数 c2c_2 は、証明の構成から決まる定数として定義されています。なお、筆者はこの記事を書いた時点で、Leanの検査を手元で再実行していません。

残された問題

  • 定数の値:定理9の c2c_2 と b0b_0 は具体的に出ていません。たとえば「b≥10100b\ge10^{100} なら 2020 項で足りる」のような、値つきの主張はまだ言えません。
  • 分母も小さく:長さ O(log⁡log⁡b)O(\log\log b) のまま、分母の大きさも抑えられるかは、この論文では扱っていません[2, §1]。
  • エルデシュ=シュトラウス予想:同じ1950年の論文には、4/n4/n はいつも3項以下で書けるだろう、という予想もあります[8, p.195]。こちらは今も未解決で、n≤1018n\le10^{18} まで計算で確かめられています[16]。今回の定理は個数の増え方についての結果なので、この予想には直接は答えません。

OpenAIの数学論文では、ほかにπ\pi の無理数度の記事と平面の彩色数の記事も読んでいます。

参考文献

  1. OpenAI, openai/math: mathematical manuscripts and supporting proof artifacts, GitHub, 2026.
  2. OpenAI, Short Egyptian fractions, OpenAI Math Release preprint, September 25, 2026.
  3. OpenAI, openai/math: History, GitHub, 2026.
  4. R. L. Graham, Paul Erdős and Egyptian fractions, Erdős Centennial (Bolyai Society Mathematical Studies), 2013.
  5. D. E. Joyce, The Egyptian 2/n table, the recto table of the Ahmes (Rhind) papyrus, Clark University.
  6. Wikipedia, Rhind Mathematical Papyrus 2/n table, 2026年10月9日閲覧.
  7. OEIS, A097048: least denominator of the proper fractions which need n or more terms as an Egyptian fraction, The On-Line Encyclopedia of Integer Sequences.
  8. P. Erdős, Az 1/x₁+1/x₂+…+1/xₙ=a/b egyenlet egész számú megoldásairól, Matematikai Lapok 1 (1950), 192–210.
  9. T. F. Bloom, Erdős Problem #304, erdosproblems.com(2026年10月9日閲覧).
  10. M. D. Vose, Egyptian fractions, Bulletin of the London Mathematical Society 17 (1985), 21–24.
  11. J. J. Sylvester, On a point in the theory of vulgar fractions, American Journal of Mathematics 3 (1880), 332–335.
  12. OEIS, A000058: Sylvester's sequence, The On-Line Encyclopedia of Integer Sequences.
  13. T. Takenouchi, On an indeterminate equation, Proceedings of the Physico-Mathematical Society of Japan, 3rd series, 3 (1921), 78–92.
  14. OpenAI, Lean formalization scope: Short Egyptian fractions, openai/math, lean/docs/025.md, 2026.
  15. OpenAI, Lean formalization: ComparatorChallenges/EgyptianFractions.json and ShortEgyptianFractions.json, openai/math, 2026.
  16. T. F. Bloom, Erdős Problem #242(エルデシュ=シュトラウス予想), erdosproblems.com(2026年10月9日閲覧).